070-1207-5151
受付時間
10:00~20:00
定休日
火曜日・不定休

企業営業等のお問い合わせ利用お控えください。

友だち追加

海の幸・山の幸は「恵み」ではない?!兄弟の理不尽な神話から現代につながる深い歴史

こんにちは、cross marriageです。

33日桃の節句を迎え、「あー、春だ」とやっと思い始めました。こうした行事で季節を感じるのって日本だからこそなんですよね。先日は結婚式のプロデュースを行い、神社での神前式でもあったため桃の花・梅の花が綺麗に咲いてとても素晴らしい式を結ぶことができました。

※写真はイメージです

桃の節句、なぜ桃

■桃の節句・ひな祭り

少し過ぎてしまいましたが、ひなまつりは女の子の成長と末永い幸せを願う華やかな行事。子どもだけに限らず大人女性にも意味があるお祝い行事です。今は様々な楽しみかたがあって、行事食季節を楽しむのもあり、縁結びにつなげて願う神社もあります。

■なぜ「桃の節句」というのか

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、所説あります。

  • ちょうどひな祭りのころに桃の花が咲いていたから
  • 桃の果実がお尻を連想させることから安産・多産の象徴として
  • 桃の花は魔除けといわれていたから
  • 百歳(ももとせ)に通じることから健康長寿を願われてきた

ちなみに桃が魔除けの起源は「古事記」や「日本書紀」に記されている最古の夫婦神イザナギが、火傷で亡くなったイザナミを黄泉の国からを取り戻そうとしたとき、見てはいけないといわれていたイザナミの姿を見てしまったため、黄泉の国の追手に追われ、桃の木から実をもぎとって投げつけるとたちまち逃げ出した、というきっかけからだそうです。(見ないでね、といわれたものは見たくなってしまうという心理はここが発端なのでしょうか。。。)

 

■桃の節句 行事食

さて、そんな桃の節句のときに食べる行事食といえば、【ちらし寿司】【菱餅】【ひなあられ】【甘酒(桃花酒)】【はまぐりのお吸い物】

それぞれ意味がありますが、ここでは割愛。今日言いたいことはそれではないので調べてください。私が気になったのは、【ちらし寿司】や【はまぐりのお吸い物】の中に縁起物としてふんだんに使われている「海の幸」。なぜここのワードが気になったのかが不思議ですが、なんとなーく全体がつながっているのでご紹介。

華やかな料理に潜む「幸」

■実は「海の幸」「山の幸」は「恵み」の意味ではなかった・・!

海の恵み、山の恵みということで「幸(サチ)」と表現されているのが一般的ですが、「食材が豊富で【幸せ】!」という意味につながるようにになったのは近来で、もともとは違う意味からきているのです!

■「古事記」で有名な神話【海幸彦と山幸彦】

日本神話【海幸彦・山幸彦】の名のもととなる、幸(サチ)とは獲物を取る道具または収穫物の意味でも使われています。

この古事記が記されているのは南九州・宮崎・薩摩地方。なかなか突っ込みどころあるお話です。

それぞれの名前のごとく海と山とで獲物を取るため、(兄)海幸彦と(弟)山幸彦はそれぞれの持ち具で獲物を獲っていた。なかなか獲れない時期があり、山幸彦が無理を言って海幸彦がもっている道具と自分のを交換することに。山幸彦は交換した釣り針を使い、海で獲物を獲ろうとするがうまくいかず、返そうとしたところ借りた釣り針をうっかり無くしてしまった。自分の剣を削ってまで新しい釣り針を作って謝ってもどうしても許してもらえないほど大激怒。もう一度海へ探しに行き途方に暮れていたところ、塩土翁神(シオツチノオジ)というお爺さんに声をかけられ、理由を話すと【ワタツミの宮殿】にいけばなんとかなるとアドバイスをもらう。※ここが浦島太郎話のはじまりといわれてます

海に潜り、しばらくすると立派な宮殿が。侍女を説得し、海の神(ワタツミ)と対面。実は海幸彦と山幸彦は日本の最高神アマテラスオオミカミの曾孫であったので、それを知ったワタツミは山幸彦を大歓迎。その場にいた美しい姫豊玉姫(トヨタマヒメ)に出会い、そのまま結婚することに。

月日が経ち3年後、本来の目的は釣り針を探しに来たことをふと思い出し、急いでトヨタマヒメに相談したところ、海中から魚をかき集めて探し出します。その中に3年前に喉に引っかかっていた鯛を無事に見つけ、釣り針を地上に戻ることを決意。その際にワダツミから自分の身を守るため呪いをかけなさいといわれる。呪文を唱えながら釣り針を後手で渡すこと自分の身になにかあったら呪いの玉で懲らしめることを伝えられ、地上に戻った山幸彦は海幸彦と再会。いわれた通りに釣り針を渡すと、しばらくして海幸彦は貧乏になり心が荒れ、心が荒れた海幸彦は山幸彦に攻め込んだところで呪いの玉で苦しませ、海幸彦が降伏したところで、今後は自分に従うことを条件にもうひとつの玉で助けてあげる・・・・というなんとも山幸彦の身勝手な物語でもある。

■果たして山幸彦に罪悪感はないのか・・・

誰が見ても、一番かわいそうなのは海幸彦なのになんだか複雑な心境になる神話ですが、この後のストーリーもあり、トヨタマヒメと山幸彦の孫が初代神武天皇になり、山幸彦は以後現在まで続く歴代天皇の祖となる。一方海幸彦はその後、古代の九州・鹿児島県薩摩・姶良地方の豪族・隼人(はやと)の祖であるとされています。この流れから当時の隼人が天皇家に従ったことを示すために記されたのではないかと言われているのです。釣り針を探しに来たのに忘れて3年経つとか、すごいなと思います。もうちょっとうまい流れを書いてほしかったですね・・・(笑)

ここの舞台となったのが宮崎県青島神社にはアマテラスオオミカミの曾孫である山幸彦と結婚した、【豊玉姫(トヨタマヒメ)】が祀られており、安産・結縁・子孫繁栄・育児などのご利益があるとされています。

■各登場人物の祀られる神社

・海の神(ワタツミ)・・・海の神がお宮を建てたところといわれている 和多都美神社(長崎県対馬市)

・豊玉姫(トヨタマヒメ)・・・山幸彦が地上にたどり着いた場所といわれている 青島神社(宮崎県宮崎市)

・海幸彦(ホデリ)・・・山幸彦に敗れた海幸彦がその後たどり着いた地といわれている 潮獄神社(宮崎県南那珂郡)

・鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズ)・・・豊玉姫と山幸彦の子どもを鵜の羽を使った産屋とされる 鵜戸神宮(宮崎県日南市) 

各神社はとても神秘的な場所。神話の内容から色々なイメージもありますが、それぞれ恋愛成就・安産・子孫繁栄・縁結びの神様としても知られている神社もあります。こうして意味を知ってから訪れるのとはまた違った角度で参拝できるのではないでしょうか。是非機会がありましたら行ってみてください♪

 

ということで、「海の幸」・「山の幸」にはこんなバッググラウンドがあったのです!!!

「幸」の語源は以外にも残酷

■「幸」の語源は・・?

「幸」は獲物を獲る道具と紹介しましたが、実は漢字の語源はこの形になるとき世間的に幸せ溢れるエピソードはございません!

意外にも元々「手枷(てかせ/手錠)」から来ていることはご存知でしたか?

大昔に罪人に罰を与えるとき、とても今じゃ考えられないぐらい残酷な処罰を与えていたそう。命を取られなくても、身体の一部を切断するといった無残な刑罰が当然のように行われる中、ある罪人が左右の手に、手枷(手錠)をかけられただけの罰であったことから「ひどい刑罰を受ける人もいるのに、自分は幸運だ」と心から思ったことから、偶然にも助けられた、幸いにも逃れられたという意味から変形していったそうです。どんな幸せではない状況であっても少しでも希望の光が見えたことが幸せに感じる、という意味を示しているのではないか言われてます。手枷(てかせ)以外にも「若死にをまぬがれるという意味もあり、これも手枷により若くして死を免れたという意味にもつながるようです。一見「不自由な状態」であるこそ「幸せ」を見つけることができるという前向きな解釈もできますね・

■「仕合わせ」と「幸せ」の意味

元々は【仕合わせ】と書かれており、室町時代にうまれたとされています。「幸せ」の形になったのも江戸時代以降という割と最近で、さらに語源をたどれば【為し合わす】、為す=する(動詞)という二つの動作を合わせる「めぐり合わせ」という意味でもちいられてきました。今では「~しているのが幸せ」という前提で使うことが多いですが、本来は~をしあわせるという行動、良いことも悪いことも含めた「しあわせ」という意味だそうです。たまたま訪れてきてくれた嬉しい状況のときは「仕合わせ」と書くと好まれるそうですよ。

意味を知るとすべてがつながっている

桃の節句から、「幸」の語源までつながるとは私自身思いもしなかったです。

若干無理やりかな~と思いながらも、物事全てには意味があるのでそれを辿っていくと一つの形だったのかなと。あまりうまく言えないですが信じるか信じないかはあなた次第です!!!

 

私は、自称見習い歴女なので、歴史を調べることは苦でもなく、ものすごく楽しく感動に行きつきます。学生の頃は学ばされていた感が強くなんとなく聞いていたことですが、大人になるとルーツをたどるとこんなにも感動するのかと思うぐらい没頭してしまいます。ただ、頭では理解してても活字にするとどうしても眠くなってしまいますが・・。また、たまたま九州育ちということもあり馴染みのある神社や、神社巡りも好きなので何かと熱いコラムになったのではないでしょうか!興味がない方には申し訳ないのですが、日本人として覚えていて損はないかと思います。

まだまだ勉強中ですが、縁結びに効く神社などもcross marriageではご紹介したいなと思います!

今回も長々とご精読ありがとうございました!